[北京 11日 ロイター] 中国の国家統計局が11日発表した各種経済指標によると、4月の消費者物価指数(CPI)は1年6カ月ぶりの水準に小幅上昇した。一方で銀行の新規融資額は予想を上回った。
総じて見ると景気は健全な強さを示しており、一部で懸念されたような過熱感は見られなかった。
熱すぎず冷えすぎずの経済状況で、今年の緩やかな引き締めを確認する内容になったとアナリストは指摘。利上げと人民元上昇再開が見込まれているが、当局は慎重に進めるとみられている。
CPIは前年比2.8%上昇で、予想の2.7%上昇を若干上回り、08年10月以来の水準となった。
クレディ?スイス(香港)のエコノミスト、DONG TAO氏は、「インフレの加速は深刻な問題だが、2.8%上昇という数字自体より、CPIがどこに向かっているかを示す傾向の方が重要だ。 これが直近の利上げにつながることはないとみられるが、中国人民銀行(中央銀行)は実質金利がマイナスになることに警戒感を強めている」と述べた。
4月の人民元建て新規融資は7740億元(1134億ドル)となり、3月の5107億元から増え、予想の5700億元を上回った。
一方、鉱工業生産は前年比17.8%増に鈍化した。エコノミスト予想は18.5%増だった。
ストーン?マッカーシー?リサーチ?アソシエーツのエコノミスト、トム?オーリック氏は、2008年の過剰な引締めが不動産市場の崩壊につながった記憶があるため、当局は大胆な景気抑制には踏み切らないと指摘。指導部は利上げ前に、これまでの措置の効果が十分表れたかを評価するだろうと述べた。
同氏は世界的な先行き不透明感、特に欧州のソブリン債務問題も考慮されるとし、「ギリシャ問題が外需の見通しに引き続き影を落としており、引き締めスケジュールを前倒しするような要因はほとんどない」と述べた。
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引用元:RMT
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12 年前